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おススメの本「落日燃ゆ」城山三郎

ども。突如シリアスな本を紹介する、永井です。


落日燃ゆ。
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小学3年生の頃「零戦燃ゆ」という映画を、夏休み真っ盛りお盆の頃に母方祖母宅TVで見て、堤大二郎と橋爪淳と早見優の悲哀▲関係に涙した時から、「燃ゆ」という言葉には敏感に反応するようになっていたオマセ?な私。
そりゃ、本屋で「落日燃ゆ」を見てしまえば、手が伸びるわけです。燃ゆー!
落日燃ゆ。太平洋戦争後の東京裁判で、唯一、文官として死刑となった元内閣総理大臣・広田弘毅がモデルの小説です。
以前の職場で、好きな言葉として「走りながら考える」を挙げ、社内某方に「お前、走りながら考えたら、バタバタしてどうしようもねえだろ」と劣評された———基本的には「働きかける中で活路を見つけるべし」の永井としては、主人公広田弘毅の生き方はセンセーショナルでした。
働きかけない——-。
と、時の流れに身を任せちゃってるんじゃない!本当に・・・・。
ま、ノンフィクションということでもないので、あくまでこの小説の中の広田弘毅に対してですが、非常に驚きを感じました。
働きかけない、というのは主に立身出世についての部分です。働きかけないのに、総理大臣にまでなった点において、単純に驚きました。なるほど、そういう生き方もあるのねぇ・・・。
で、この方、戦争を止めようとしたのですが、手段として、流れに逆らわない中で状況を打開しようとしました。流れに逆らえば、暗殺されても仕方ない時代です。「根本的には戦争に反対する」という”存在”を政府中枢に置く事で戦争を回避しようとしたとでも言うのでしょうか。
そういう意味では、政府要職を歴任しながら、戦争を積極的に回避しなかったという点において”戦勝国の視点として”戦争犯罪人とされた流れは理解できる気がしました。ただ・・・しつこいですが、流れに逆らえば、暗殺されても仕方ない時代ですからねぇ・・・自らの命をもって戦争を止めようとしなかった事実に対して断罪されるのも、つらいと言えばつらい気がします。それだけの責任があると言ってしまえばそれまでですが・・・命をもってしても止められなかったと思いますし・・・それこそが、問題の根幹であり、((幾人かの要人が命をかけるほど本気になっても戦争を止められなかった体制を作ってしまった事実))を日本は大いに反省し現在未来に活かすべきと私は思っているのですが。
と、書いてて突然!何故だか・・・先日、見て感銘を受けた、オシム語録を思い出しました。
「私に理想のサッカーを語らせればいくらでも語る事ができる。しかし、私は現実から始めなければならない。」
だったっけな?
物事は、理想を語るだけでは動かない。ましてや、理想を”盾に”行動したところで微動だしない。ただ、理想を持たなくては、物事は動かない。—-永井語録。
話が飛んでいます。好き勝手の方向に飛んでいます。
本の感想に戻りまして/ もうひとつ感じた事は”存在”というもの。行動でもなく、人柄でもなく、”存在”そのものが周辺(非常に広い意味で言えば、その人が生きた時代)に大きな影響を与えることもあるのかもな、ということですね。
きな臭い1930年代がメインの話ですが、現代に通じるところ大いに有りです。「時代」と「存在」が関心ワードとしてお持ちの方にオススメです。
いや、飛びました。飛びついでに/確か、「零戦燃ゆ」を見た夏、同じく祖母宅TVに臨時ニュースが流れました。———-日航ジャンボ機墜落事件でした。
あの頃、それとなく感じた”人の生き死に”が、今の自分の生死感の半分くらいを占めているなのかなあと、うっかり感じます。うっかり。

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