おススメの本「二重螺旋の悪魔」
「なにもここまで・・」と思わせる「バイオホラースーパーアクションエンターティメント」です。
「デビュー作にはその作家の全てがつまってる」と
よく言われますが、これは「つめすぎ」です。
5冊分くらいのアイデアがつまってます。
実にお得です。
実際、梅原氏はこの次作「ソリトンの悪魔」で推理作家協会賞というのを
受賞していらい確か「カムナビ」という作品しか発表できていません。
(と、思います)
このデビュー作でアイデアを出しすぎたんでしょうね、きっと・・。
ともあれ内容はというと、まず「遺伝子操作によって生まれた新生物を抹殺する政府特務機関の男」が主人公です。
なにか「ヴァンパイアハンター」みたいなイメージですが、何故かわりと「お役所的」で好感が持てます。
そしてその男が「新生物」を秘密裏に抹殺していきます。
そして男には「執念」があります。
なぜならその「生物」に妻を殺されたからです。
このへんで1冊書けると思うんですが梅原氏のすごいところはこれからなのです。
なんと後半からはその「生物」と「人類」との「全面戦争」になります。
そして、超人的な身体能力をもつ「生物」に対し「人類」も「超人」化します。
ここで、神経を「超伝導」化した「超伝導人間」なるものが登場します。(もちろんそれは主人公がなります)
そしてラストには「究極の新生物」である「神」が実に醜悪な姿で登場してきます。
こう書いてみると「デビルマン」みたいなオチですが、とにかくアイデアの洪水でずんずん読めます。(上下巻ですが)
血糖値が下がり気味の休日の午後などにはアドレナリンの分泌を促す意味でもオススメです。
ついでに言うと、「意志をもつ海水が潜水艦を襲う」という「ソリトンの悪魔」も面白いです。
(おがい)