おススメの本「パプリカ」
加藤です。
おすすめの本を紹介しようと思います。
「パプリカ」筒井康隆/著
この本は、「夢」と精神医学の世界を巡る、サイコサスペンス作品です。
あらすじをざくっと書きますと、
精神医学研究所に勤める千葉という女性は、もうひとつの顔を持っていた。それは「夢探偵」パプリカ、という顔。患者の夢を共時体験し、その無意識へ感情移入することで治療を行うというものだった。
巨漢の天才・時田と共同で画期的サイコセラピー機器「DCミニ」を開発するが、ノーベル賞候補と目されたことで、研究所内に確執が生じ、権力争いにのみこまれていく・・。
そうしていき、DCミニをめぐる壮絶な戦いが始まり、夢と現実が交錯する重層的空間がくりひろげられていく・・。
こう書くと、まったくもってわからないのですが、
まあ、夢に入り込むことで、精神治療を行っていく女性が主人公で、簡単に人の夢の中に入り込める機械が発明され、それをめぐって戦いがおきる、という話しです。
荒唐無稽なストーリーなのですが、そこは筒井氏さすが、という文章力で、ぐいぐいとひきこんでくれます。
ちょっぴりエッチな描写もあったりしますが、そこはまあアクセントということで。
「夢」というのは芝居を作っていく際に、やっぱり魅力的なフィールドであります。
でも、それを嘘臭くなく、理論を作り上げながら、エンターテイメントに昇華していくっていうのは、すごく大変で、いつも苦労します。
今回、10月の公演に向けて作品を書く上で、最初のアイディアはこの本からいただいてました。
結局話しがかわってしまい、そのストーリーがお目見えになることは、いつのことやら、という感じですが。
こういった小説は、やはり小説として読むのがいいですね。映像とかにすると、なんかイメージと違ってしまいそうですしね。
(かとう)