おススメの映画・DVD「ハッシュ」
大学時代「作品はウンコだ」と言っていた友人がおりまして、彼が言うには「出さなきゃしょうがないし、かといって人に見せたくはない」とのことでした。
同学年にもかかわらず3つも年上の彼の言葉を「ほー、なるほど」なんて僕は聞いておりました。
今にして思えば(その頃の僕はかなりな一知半解だったのですが(今も全解とはかぎりませんが))結構核心をついた名言だなと感じております。
「人に見せよう」とか「感動させよう」なんていう「不純な動機」で作られたものにはロクなものはありません。
ちなみに彼は斉藤久志という男です。
学生寮で僕の向かいの部屋に住んでました。
彼は大学中退後ぴあフィルムフェスティバルでグランプリを取ったり(ブレイクする前の)SMAPの映画を監督したり後輩の塚本(晋也)と組んでネガティウ゛な映画を撮ったりしてましたが、近況は不明です。
そして、本作品の監督橋口良輔はその斉藤の隣に住んでました。
(ちなみに彼の高校時代に撮った8ミリ映画を「面白い」と言ったのは僕だけでした。そういう意味では彼の才能の第一発見者は僕なのです。(「僕だけ」というのは誇張ですが))
この作品はカンヌ映画祭に出品されましたが、まさかあの橋口がそんなになるとは当時思いもよりませんでした。(まったく)
僕は行きがかり上彼の作品は全て見てますがこの「ハッシュ」は最高の出来です。
とにかく芝居作りがすごいです。
そのいきさつはパンフの製作ノートに詳しく出てますが、僕は行き詰まった時それを見ることにしてます。
かつての同志とせめて志の次元ぐらいは同等でいたいと思うからです。
今、同志と書きましたがそれにはワケがあります。
前述の斉藤とこの橋口とは極私的製作集団「浜松プロダクション」の同志なのです。
この通称「浜プロ」は製作作品が1本もない「極私的」集団だったのですが、その名からもわかるように浜松出身の僕が初代会長なのです。(2代目はいませんが)
なんか私的思い出話になってしまいましたがこの「ハッシュ」は本当に良い作品です。(僕は3回見ました)
権威主義的に言うと「キネマ旬報ベストテン」(多分映画関係では一番権威のあるベストテン)でその年の2位を取りました。
(ちなみに1位は窪塚主演の「GO」で3位は「千と千尋の神隠し」)
だらだらと友人自慢の自分自慢になりましたがとにかく見て下さい。
オススメです。 (おがい)